肉を食べたときに消化を助ける果物

タンパク質は体をつくるのに欠かせない栄養素なので、これをしっかりとることが健康を保つのに必須ですが、それが有効に生かされるには、効率的に消化されなければ意味がありません。どんなにたくさんのたんぱく質をとっても吸収されないのなら食べていないのと同じです。ところが、タンパク質は、消化に比較的時間がかかる栄養素なのです。

というのも、穀物などのデンプンは、よく噛むことで、唾液の中にあるアミラーゼと呼ば了れるデンプン分解酵素の働きで口中にある間に消化が始まり、吸収されやすい糖類の状態に変化します。

しかし、タンパク質の場合は、口中では消化されません。タンパク質は胃に入って初めてペプシンと呼ばれるタンパク質分解酵素によって分解され、さらに腸に送られてから吸収される。消化のため、胃に滞留している時間も比較的長くなります。

したがって強力なタンパク質分解酵素を含む果物をデザートに食べれば、消化が促進されます。この酵素をもっているのは、主として南方の果物です、パパイア、キウイ、パイナップル、それにイチジクなどです。

パパイアの酵素は肉の軟化剤のパパインとして使用されますが、パパインはかなり強力なので、作用時間が長いと、肉のタンパク質が分解されてべたべたした感じになります。

こうなってしまうと味も落ちてしまうので、肉がおいしく食べられる程度に酵素が作用するように加減が必要なほど強い酵素です。
通常はあまり強く作用しすぎないように、デンプンなどで薄めます。パパイアほどではないのですが、キウイ、パイナップル、イチジクの酵素の力も相当に強力です。
ゼラチンゼリーをつくるとき、これらの果物を生のままゼラチン液に加えると、ゼラチンが分解されてしまい、固まらなくなってしまいます。これはゼラチンが、コラーゲンというタンパク質からできているためです。

このように強力なタンパク質分解酵素であるが、有効なのは、あくまでも生の状態だけで、たとえば、パイナップルの缶詰を使用した場合はゼラチンゼリーは固まります。

これは、缶詰の果物は加熱殺菌してあるため、熟によって酵素が不活性になるからです、つまり働かなくなってしまうからです。ところで、こんな強力な酵素が生のまま胃に入って大丈夫だろうかと心配する人がいるかも知れませんが、その点は心配無用です。

というのは、胃の粘膜には、このような酵素を作用させない防御の働きがあります。一般に、生態には防御反応があるので、自然の酵素の力が生きている組織を侵すことはないのです。

このような、生の果物の酵素の働きをうまく利用することは、タンパク質の利用を高める上で賢明です。

レバニラ妙めでスタミナつくのは

代表的なスタミナ料理として、レバニラ妙めをイメージする人も多いでしょう。単品の食材としてはやっぱりニンニクでしょうか?

実際、ニラ、レバーともビタミンの宝庫です。とくに、ニラのもつネギ類特有の臭みの強い成分とレバーに多いビタミンB1が結合し、非常に吸収されやすい形の物質が形成されます。
これが疲れをとり、スタミナをつけるには非常に有効です。また、両方に共通して多いのはビタミンAで、ニラの方はベータ・カロチンの形で、レバーの方はレチノールと呼ばれるビタミンAの形で豊富に含まれます。

ビタミンA は、非常に大事なビタミンで、とくに粘膜を保護し、また、体内で過剰にできるとガンなどの原因となる活性酸素に対し、それを抑え込む力をもっています。
だから、ビタミンA は、常に意識してたっぷり摂りたいビタミンです。

とくに、冬の寒い時期や夏の栄養状態が悪くなるときなどはビタミンAが不足しがちになり、その結果、粘膜保護力が低下し、風邪をひくと治りにくいため、積極的に摂るようにします。

ビタミンAは目に対しても大きな力を持っています。突然暗い部屋に入ったとき、目が慣れて周辺の状況が見えるようになるまでにいくらか時間がかかりますが、この時間はビタミンAが体内に十分あるかどうかで、大きく左右されます。

ビタミンA が不足していると、暗闇で、目がなかなか慣れない。これを暗調応が悪いといいます。とくに自動車を運転するような場合、ビタミンAの不足は目の疲れを早くするだけではなく、トンネルなどに入ったときに目が慣れにくいとか、あるいは夕暮れどきに十分に見通しがきかなくなるなどの危険があります。だから、ドライバーはレバニラ妙めなどをときどき食べて、ビタミンA の補給を怠らないようにしましょう。

都合のよいことに、ビタミンA は、肝臓で貯蔵できます。したがって、週に1回食べる程度でも十分に体内で保持できますこの点は、体内保持ができないので毎日補給しなければならない水溶性のビタミンBやCと大きく違うところです。

お好み焼きはバランスが整っている

お好み焼きは、材料や焼き方に、地域によりかなりの違いがあります。地方特有の特徴がでやすいものです。中でも広島焼きは、せん切りキャベツ、モヤシ、干しエビ、イカ、豚肉などを入れた上に、中華ソバやうどんを加えるため、かなりボリュームがあります。

お好み焼きの基本的な材料は、肉あるいは魚介類にたくさんの量のキャベツ、卵、小麦粉などですが、実は、栄養的に大変バランスがとれた料理なのです。
まず、タンパク質が豊富です。肉や魚介類に卵が加わると、タンパク質が増加するだけでなく、卵の良質なタンパク質が他のタンパク質の価値を、より高めるというメリットがあります。
タンパク質は、体力を増し、免疫力を高めますので、健康には必要欠くことのできない栄養成分です。しかも、タンパク質は体内でつくれないので、食物からとる以外、補給することができません。

したがって、不足しないように、より効率的にとることを心がけるのは、健康にとって非常に大切です。また、今、若い人の野菜離れが問題になっているが、その点でもお好み焼きは理に適った料理といえよう。ビタミン類やミネラルだけでなく、さらに、食物繊維の大きな供給源にもなる。というのは、お好み焼きにはキャベツがふんだんに入るし、それに、ソースの上にかけるかつお節や青海首の栄養も無視できないでしょう。

青海苔は鉄分が豊富で、食物繊維もある。たっぶり使用すれば、よい栄養補給になります。また、かつお節もカルシウムが豊富です。
日本の食事では不足しがちなカルシウムが補えてしまいます。さらに、お好み焼きのよい点は、目の前でつくった焼きたての熱々を食べられるという点です。見た目にも食欲がわきます。食べ物はできたてほどおいしいのは言うまでもありません。

料理が仕上がり皿に盛られる間にも、風味はどんどん失われてしまいます。それだけに、できるだけ熱々の料理を口に入れることがおいしく食べられるポイントです。なお、お好み焼きは、江戸時代、女性たちの遊びの料理であったといわれています。それが明治になり、一銭洋食として子どもに人気が出たのですが、やがて、安くて栄養があり、お腹も膨れるというので、大阪を中心に普及しました。

とくに第二次大戦後、卵などがかなり安く手に入るようになって急速に広まりました。栄養面だけでなく、家族や仲間の団欒にも役立ち、いろいろの点で素晴らしいお好み焼きを、日常もっと取り入れるのもいいでしょう。

肉よりたんぱく質たっぷりの凍り豆腐がおすすめ

豆腐をいったん凍結→解凍→乾燥という工程の凍り豆腐は、関東では高野豆腐とも呼ばれ、東北地方や信州ではしみ豆腐などと呼ばれています。

自然に凍らせたものと人工的に凍らせたものとは、味にはいくらか差がありますが、いずれもタンパク質についてはさほど大きな違いはありません。

凍り豆腐には乾燥した状態のもので100グラム中に50グラムものタンパク質が含まれます。見かけの量が少なくても、これだけたくさんのタンパク質がとれる食品はそれほどありません。

しかも凍り豆腐に含まれる大豆タンパクは、植物性タンパク質の中でも栄養的に優れています。動物性タンパク質のようにたくさん食べた後に胃がもたれてしまうというようなこともありません。

仏道修行中の憎が食べる精進料理にはまったく動物性の食品は入ってこないが、それでも僧たちが健康に過ごせるのは、大豆と大豆製品のお陰です。しかも、保存がきくから、昔、タンパク質系の食品が手に入らなかったときも、凍り豆腐を常備しておけばタンパク質の補給ができたのです。

実際、高野山で盛んに凍り豆腐がつくられていた名残として、高野豆腐の名があるります。タンパク質は、スタミナの元です。タンパク質を多くとれば、新陳代謝が高まり、体からの発熱量も増えます。

エネルギーが体から多く出てくるから、それだけ体を活発に動かすことができます。また、体温も上昇するから、エアコンなどがきいて少々寒い部屋に長くいても体が冷え切ってしまうのを防ぎます。

よくエアコンを使い始める梅雨どきに、体が冷えて自律神経失調症などを起こしやすいのですが、こういったこともタンパク質を十分にとっていれば防げます。

ところで、凍り豆腐は調理がめんどうだと敬遠する人もいますが、簡単に料理できます。戻すのも簡単です。メーカーによって戻し時間が違うので、包装に書いてある通りに水かぬるま湯で戻します。

味は、だしを強くきかせ、醤油と砂糖などで薄味に仕上げる定番の作り方がおすすめです。

これは温かいうちに食べるのが一般的ですが、冷蔵庫で一晩冷やしておくと、熱い夏の朝など、食欲が減退しているときのタンパク質補給に最適です。

大豆にはもともとカルシウムが多く含まれているので、当然豆腐もカルシウムの供給源となります。豆腐の凝固材としで使われているカルシウム塩類は栄養的に利用できないものが多いのですが、大豆から摂取できるカルシウムだけでもかなり多く摂れます。凍り豆腐はあきるというなら、凍り豆腐の煮物の仕上げに溶き卵をからませると、目先が変わって、良質なタンパク質をもつ卵を加えることで、栄養的にもますます優れた食べ物になります。

体力がダウンしたときはヨモギが効く

ヨモギは古くから草餅の材料として全国的に用いられてきた野草です。たとえば、田植えの終わった後で、小豆あんが入ったヨモギ団子を食べる地方や、春になるとヨモギの葉を使った草団子や草餅などをつくる地方が多くあります。

ところで、田植えの後にヨモギ団子を食べるのには、それなりの意味があるのです。田植え作業は肉体的にハードで、しかも一時期に集中するため忙しく、十分に食事をとることができません。
そのため田植えの時期には、農家の人は体力的にかなり消耗します。自動田植え機などを使う現代とはくらべものにならないほど労働が激しかったと思われます。

体力を消耗し、しかも十分な栄養が補給できなかった昔、まっ先に不足したのは、各種のビタミン、そして、タンパク質などです。
このとき、よい香りをもつとともに、その成分に各種の有用なものが含まれているヨモギは便利だったのでしょう。
とくに新鮮な野菜を食べられないと、ビタミンAのもとになるベータ・カロチンが不足してくるが、これもヨモギの中に含まれるカロチンによって補給できます。

ビタミンAが不足すると、回虫などの寄生虫が消化器の中で繁殖しやすいといった研究があります。下肥を使用していた時代には、体力が低下したときに回虫などの寄生虫が消化器の中で勢力を得ることがありました。

こういったときに、ヨモギのような駆虫成分を含むものを混ぜた団子を食べることは回虫駆除にも大きな力があったわけです。
沖縄ではヨモギをフーチバーと呼び、年間を通して料理に使用しています。

たとえば、ヤギ一の料理にはヨモギを使いますが、匂い消しとともに毒消しとしても大切なものです。また、フーチバージューシーといってヨモギを加えた雑炊も沖縄の伝統料理の1つです。

さらに、灸をすえる場合に用いるモグサは、ヨモギの薫からつくられます。これはヨモギの葉の裏にある、やわらかい羽毛状の繊維を取り出したものです。このようにヨモギには意外な効果がたくさんあるのです。

ところで、ヨモギはキク科植物である。キク科植物には、いろいろ有用な成分を含むものがたくさんあります。たとえば、以前、蚊取り線香の主材料として用いられていた除虫菊などもキク科植物の一種です。

除虫菊の中にはビレトリンと呼ばれる、蚊に対して防虫、殺虫効果のある成分が含まれています。これをいぶすことで、蚊を除去することができるのです。

そのために、過去には除虫菊が大量に栽培され、それを原料として蚊取り線香が多量につくられていましたた。もっとも、現在ではこのビレトリンは化学合成ができるので、除虫菊の栽培はほとんど行なわれていません。

肉とたまねぎの組み合わせがいい理由

肉をたくさん食べるときは同時にタマネギも一緒にたくさん食べるとよいといわれてますがが、なぜでしょうか?タマネギには特有の強い刺激臭があるため、みじん切りにすると、涙が出てきます。

実は、この刺激性の成分の中に有用な物質がたっぷり含まれているのです。

この刺激性の成分は硫黄を含む化合物なのだが、これがビタミンB1と結合すると、体内で非常に吸収されやすく、また、体内での保持もよい物質に変化します。

したがって、夏の暑い時期にタマネギを加えたカレーライスなどがスタミナプラスに役立つといわれるのには根拠があるのです。さらに、肉とタマネギを一緒に食べると心臓病の予防にもなります。

血液が血管の中で固まって血栓をつくると、心筋梗塞や脳梗塞の原因となりますが、この血栓をつくる犯人は血小板と呼ばれる血液中の成分です。

血小板は血液を凝固させる働きがあります。だからたとえば、ケガをして出血した場合、血小板が働いて傷口の血液を固め、多量の出血を防止します。

ところが、この血小板が、必要でないときに血管内で固まると血栓ができてしまいます。血管中に血栓ができると、それより先には血液が流れません。
したがって、脳梗塞や心筋梗塞の原因になります。

ところで、この血栓の生成を促進する物質と、防止する物質があります。不要な血栓を防止するためには、この血小板凝集作用を抑制するような働きをもったものを普段から食べているとよいわけです。

まず、脳梗塞や心筋梗塞の原因となる物質としては、アラキドン酸という脂肪酸があります。アラキドン酸は血小板を凝集する強い働きをもっています。そして、これが血栓をつくってしまいます。

アラキドン酸は動物性の脂肪に含まれている脂肪酸で、牛肉、鶏肉などに多く含まれます。豚肉にはこれが少ないのですが、一般的に肉類にはアラキドン酸が多いと考えてよいでしょう。

ただし、植物性の脂肪に含まれるリノール酸も油断ならない。人間も動物であるために、リノール酸を多食すると体内でアラキドン酸に変化し、血栓の原因になりやすいからです。

一方、この血小板の凝集作用を抑制する物質もあります。その代表的なものに、DH A(ドコサヘキサエン酸)がありまする。これは魚の脂肪を構成している物質である。血栓の予防にEPA・DHA
このDHA以外で強い凝集抑制作用をもっているのがタマネギです。とくに、目を刺激し、涙を出させるような成分が多いタマネギほど凝集作用が抑制されるのです。

卵は血管を強くする

卵はコレステロールが多いためにあまり体によくない食品だと思っている人もいますが、1日に1~2個はぜひ食べたい食品です。病院食では心筋梗塞などの回復期の患者さんに、1日に卵1個を献立に入れるところが多くあります。

これは、適度にコレステロールを摂取することで、かえって血液のコレステロール過剰を防止してくれる働きがあるためです。人体に必要なコレステロールは、3分の1が食物から摂取され、残りが肝臓で合成されています。
コレストロールとは | 健康メモ

そこで、極端にコレステロールの摂取を制限すると、不足を補おうとかえって過剰なコレステロールが肝臓で合成されてしまうのです。
また、卵に含まれるタンパク質は、必須アミノ酸のバランスが満点に近く完全食品とも言われています。しかも、他のタンパク質で十分補給しにくいトリプトファンといったアミノ酸が十分に含まれています。
トリプトファンは、いらいらする気分を鎮め、落ち着いた気持ちにさせる効果をもっています。快眠できない人は積極的に摂りたい食品です。

なお、牛乳にもトリプトファンが多いので、なかなか寝つけない場合、温めた牛乳をゆっくり飲むと不眠にも有効です。たかだか卵1個というかもしれませんが、1個に含まれるタンパク質は5~6グラム程度あります。

また、卵には一緒に摂取したタンパク質の利用効率を高めてくれる働きもあります。その結果、朝食に食べると、昼食前まで勉学の力などが落ちないという効用もあります。アメリカで調査したところによると、朝食をトーストとジュース程度ですませた子どもと、さらに卵などのタンパク質を加えた朝食をとった子どもを比較した結果、卵を食べていない子どもは、昼前に計算ミスや記憶力低下が見られたのに対し、卵を加えた朝食をとった子どもはそれが少なかったという実験もあります。

なお、コレステロールには有用な働きがあります。血管の弱いところを補強して破れないように保護するとか、赤血球の膜を保護してその寿命を長もちさせる他、女性ホルモンの材料として必要です。

また、ビタミンDの原料でもあり、さらに、腸で脂肪を乳化して消化液がうまく働くことのできるようにする乳化剤となる胆汁酸の原料としてなど、多方面にわたって重要な働きをしています。

コレステロールは一時期、動脈硬化をひき起こす元凶のようにいわれていましたが、これは誤解でした。これは、高血圧が長い期間続いて、血管が破れないように防御するため、動脈にコレステロールが貼りついた結果、動脈硬化になったということです。つまり、結果だけから、コレステロールが悪者にされたようだ。実際は動脈硬化はコレステロールが原因ではなく、高血圧が元凶だったのです

日本の伝統食「漬け物」は消化を助け、病気を防ぐ

漬物は、日本全国の地域にたくさんの種類があり、日常、食卓には欠かせないものです。最近は、漬け物をたくさん食べる地域の人の血圧が高く「漬け物が原因だ!」という声も聞こえるのですが、実際、食べ過ぎているのでしょう。
食事の時、お茶の時、毎回食べていれば食べ過ぎになり、塩分も過剰になります。

漬け物は、冷蔵庫のない時代から冬場の野菜の補給に大きな役割を果たしてきました。漬物が発酵するとき生じる乳酸菌は、健康に大きな意味があります。
とくに、京都のスグキ菜を清けたスグキ清けや、ナス、シソなどを清けた柴清けは、乳酸発酵を強くした独特の漬け物で、この他にも、各地に乳酸発酵させてつくる漬物は多くあります。

酸は腐敗を防止するので、いたみやすい野菜を保存するのには都合がいいのです。
乳酸は、胃の中に入ると、タンパク質分解酵素であるペプシンの働きを促進する。そのため、タンパク質の多い肉類や豆腐、大豆の煮豆、湯葉などを食べたときなど、皐後に漬物でぉ茶清けを食べると消化を助けることになります。
ペプシンは胃液とともに分泌されますが、そのままでは活性化には至りません。

ところが、酸に会うと活性化されます。そのため、高齢で胃酸の分泌が低下した人などでは、漬物などの強い乳酸が胃に入るとペプシンが活性化して、消化液の働きが改善します。

とくに、ペプシンはタンパク質の消化をするから、タンパク質の多い食事の後で食べる漬物は有用です。酸味の強い漬物は、乳酸の含有量が多く、また乳酸菌も生きている。この乳酸菌は、腸内でさらに増殖し、腸の状態をよくします。

植物性乳酸菌は腸にとって二重丸

乳酸菌が腸内で増殖すると、ビタミンB2やビタミンKといった、体に有用なビタミンを合成してくれるというメリットもあります。ビタミンB2は、食品からとる量以上 に腸内乳酸菌によって合成されたものが利用されています。

しかも、野菜を多くとったときの方が腸内乳酸菌によるビタミンB2合成量が多くなることも確認されています。

このビタミンB2は、一生を通じて十分にとっていると健康や長寿を保持されることは周知のとおりです。野菜好きが健康であるというのも、このあたりに理由があるようです。

さらに、乳酸菌が腸内で勢力をもっているときには、発ガン物質が腐敗菌によってつくられるのを防止してくれるという働きもある乳酸菌が乳酸を生産し、腸内が酸性になることと、漬物の材料である野菜のビタミンCが発ガン物質の生成を防止するだけでなく、その毒性も消す働きがあるのです。

それに、野菜のもつ繊維は、発ガン物質ができた場合でも、それを吸着して、体内に吸収するのを防ぐ効果もあり、やはりこれもガン防止に役立つということです。
年中、漬物を楽しむ日本の食習慣は素晴らしいものであるといえるでしょう。ただし、これは乳酸発酵させた漬物に限ります。そして食べ過ぎには十分注意しなければいけません。

朝粥のススメ

日本ではその昔から、正月7日に七草粥を食べる習慣があります。また、近年は、ホテルの朝食でも朝粥を用意しているところが増えていますパン食、ご飯食、おかゆ食とホテルも大変です。

これは、健康によいというところから普及しました。朝食に粥を食べる習慣は次のような効果があるためです。

1つには、朝は体内の水分が大幅に減少しています。この減っている水分を補給しないと、血液が粘り、激しく動いたりすると、余分なエネルギーを補給するために、体内に蓄えてある脂肪が血液内に出てくることになります。こうなると、ますます血液が粘り、血栓ができて、心筋梗塞や脳梗塞の原因になりやすいのです。
血圧上昇、くも膜下出血、心筋梗塞予防

そこで、まず、朝食に粥を食べて水分をしっかり補給することが、トラブルの防止になるといことです。粥には、水分が非常にたくさん含まれます。

米飯では、米に対して水が1~2割増程度なのに対して、粥は最低、米の5倍の水を入れてつくります。また、摂取エネルギーもそれだけ抑えられることになり、食べすぎが防止にもなります。

糖尿病の人には、米飯より血糖値が低く抑えられ、また、血糖が早く下がかので、粥の方がいいことが確認されています。また、温かい粥は、体を暖め、代謝アップにもつながります。

朝は代謝が低下し、体温も低いので、体が活動の態勢になかなか入りにくいのですが、温かい粥を食べることで、体温が早く上昇し、それだけ短時間に代謝が高まります。

朝、食べたものも、それだけ早く消化されるので、朝食が腹にもたれることもありません。代謝が高まれば、頭脳の動きも活発になるから、それだけすっきりした感じが得られるでしょう。

朝に粥を食べることで有名なのは奈良で、京都でも多い習慣です。これは、寺院が多く、修行僧が朝、粥を常食していたことによります。

禅宗の寺院では、朝粥には茶粥が多く用いられます。禅宗の寺では、ものを捨てないことが修行の上で重視されます。そこで、一度茶をいれた茶殻をさらに煮出して、これを茶粥に用いるのです。

煮出した茶には、カテキンというタンニン系物質が多く含まれていますが、このカテキンは、ガンの予防に大きな力のあることが知られています。つまり、茶を無駄なく使うだけでなく、健康的でもあるのです。

余談になりますが、二度煮出した後の茶殻は、掃除のとき、床にまいてゴミを付着させるのに使用することもできます。そして、最後は庭の樹木の板本に埋め、肥料にするという、完全なリサイクルの循環が確立します。

このような伝統的な知恵は、今日でも大いに日常に生かしたいものです。粥の本場、中国の広東省のような南部や台湾などでは、朝食に粥がよく食べられます。この粥は、白粥もあるが、貝柱や鶏肉の入っているものも多くとても味がしみてておいしいものです。
しかもこれらはタンパク質の補給になる。また、添えものとして油いためのピーナッツや豚のでんぶ、ピータン、ゆで卵といったものも入れることがあります。朝食はしつこいと食べにくいが、粥とあっさりしたタンパク質で1日の活力をつけることができます。

食前酒は善玉コレステロールを増やす

「酒は百薬の長」という言葉があります。真意はこちらです。ただし、それは飲み方が大きく影響します。

アルコール飲料の飲みすぎはいろいろな障害をもたらします。とくに肝臓に与える影響は大きく、肝硬変の原因にもなりやすく、また、常にアルコール飲料に浸っていると、アルコール依存症などの問題も出てくる。アルコール依存症の治療は時間がかかることで有名です。

しかし、一方で、適度のアルコール飲料は、ストレス緩和に非常に効果があるというのも真実です。ストレスが強く加わると、血圧が上昇し、血圧が上昇すると血管に圧力が加わり、それを血管が防御するためにコレステロールが付着して、動脈硬化を引き起こしやすくなります。

そこで、ストレスによって血圧が上昇した場合、なるべく早く下げることが必要です。その点で力が大きいのは適度のアルコール飲料です。ストレスによって血圧が上がっているとき、少量のアルコール飲料を飲めば、15分程度で血圧が正常に戻るという現象が見られます。
これはアルコールが神経的な緊張を緩和し、また、血管の緊張をやわらげた結果です。とくに仕事の後などは、交感神経が興奮していることが一般的です。食事はストレス緩和に役立っが、交感神経の興奮は食欲を低下させる働きがあります。

緊張の連続の仕事をした直後などは食欲がなくなることは誰でも経験しているはずです。こんなとき、食欲を増し、交感神経の緊張をやわらげるために適度のアルコール飲料は大きな力を発揮するのです。

欧米でアペリチフとよばれる食前酒を飲んだり、中国料理でも、まず、キンモクセイのリキュールが食前酒として出されたりするのはこのためです。
この影響か、日本料理でも近年、まず梅酒を出す店が増えてきました。また、適度のアルコール飲料は、HDLと呼ばれる善玉のコレステロールを増加させる働きがあります。

HDLは、高比重コレステロールとよばれるもので、コレステロールとタンパク質の結合した粒子ですが、タンパク質の比率が高くなります。
このHDLは、血管壁に付着している余分なコレステロールを肝臓へもち返る働きがあります。したがって、HDLの高い人は動脈硬化になりにくいということが判明しているのです。
HDLの値は通常、血清1デシリットル当たり40ミリグラム以上が推奨されています。日頃運動を十分にしていたり、タンパク質摂取量が十分である人は、このHDLが高い傾向があります。

しかし、ストレスなどが加わると、HDL値が下がる傾向がある。そこでアルコール飲料を適度に飲めば、上昇するのです。ただし、アルコール飲料の飲みすぎは、醒めた後、血圧をかえって上昇させるようなことがあるので、飲みすぎには注意しなければいけません。
悪玉(LDL)と善玉(HDLはこちら。