徳川の時代にも重宝されたクコの滋養強壮効果

クコの果実はクコシ(杓紀子)といい、料理などにはこれを干したものを使うことが多いものです。クコシは、特有の甘味と穏やかな酸味があり、料理に加えてもなかなかよい味です。

クコは、もともとは日本でも自生していたが、いつの間にか消え失せてしまったようで、今ではなかなかお目にかかれません。現在、市販されているクコシは、中国から輸入されたものが大部分です。

クコシは千年以上も漢方薬の1つとして使われてきて、何ら副作用がないというのも安心です。中国最古の薬物書である「神農本草経」では、クコはもっとも優れたものとされている。成分としては、ベタインが注目されています。
ベタインは、アミノ酸の化合物で、広く植物体に分布するものであるが、クコにはとくに、それが多く含まれます。
ベタインは、肝臓に脂肪がたまるのを防ぐ働きが強力です。

また、血管を強くするともいわれている。クコシは中国では、薬膳料理にしばしば使われ、とりわけ豚肉とよくマッチして風味がよくなるので、豚肉の煮込み料理などに用いられます。
また、クコシを焼酎に清けて、クコ洒もつくられる。梅酒とはまた違った、風味のよいリキュールになります。さらに、クコの葉や根も健康によいと利用されてきました。

とくに、葉を米飯に炊き込んだクコ飯などは健胃の作用があります。クコの愛用者として歴史的に有名なのは徳川家康。家康は、健康に非常に気をつかっていて、食べ物にも強い関心がありました。

他に、中国で愛用されてきた食品の1つにサンザシがある。サンザシの実は、利尿、血圧を下げるなどの効用があるといわれますが、このようなものは、長く日常の食生活で用いることで、少しずつプラスになるものが多いようです。歴史的に長く言い伝えられてきた効用は、何らかの根拠があるものが多いのです。こうしたものは、安心して使えます。

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