日本ではその昔から、正月7日に七草粥を食べる習慣があります。また、近年は、ホテルの朝食でも朝粥を用意しているところが増えていますパン食、ご飯食、おかゆ食とホテルも大変です。
これは、健康によいというところから普及しました。朝食に粥を食べる習慣は次のような効果があるためです。
1つには、朝は体内の水分が大幅に減少しています。この減っている水分を補給しないと、血液が粘り、激しく動いたりすると、余分なエネルギーを補給するために、体内に蓄えてある脂肪が血液内に出てくることになります。こうなると、ますます血液が粘り、血栓ができて、心筋梗塞や脳梗塞の原因になりやすいのです。
血圧上昇、くも膜下出血、心筋梗塞予防
そこで、まず、朝食に粥を食べて水分をしっかり補給することが、トラブルの防止になるといことです。粥には、水分が非常にたくさん含まれます。
米飯では、米に対して水が1~2割増程度なのに対して、粥は最低、米の5倍の水を入れてつくります。また、摂取エネルギーもそれだけ抑えられることになり、食べすぎが防止にもなります。
糖尿病の人には、米飯より血糖値が低く抑えられ、また、血糖が早く下がかので、粥の方がいいことが確認されています。また、温かい粥は、体を暖め、代謝アップにもつながります。
朝は代謝が低下し、体温も低いので、体が活動の態勢になかなか入りにくいのですが、温かい粥を食べることで、体温が早く上昇し、それだけ短時間に代謝が高まります。
朝、食べたものも、それだけ早く消化されるので、朝食が腹にもたれることもありません。代謝が高まれば、頭脳の動きも活発になるから、それだけすっきりした感じが得られるでしょう。
朝に粥を食べることで有名なのは奈良で、京都でも多い習慣です。これは、寺院が多く、修行僧が朝、粥を常食していたことによります。
禅宗の寺院では、朝粥には茶粥が多く用いられます。禅宗の寺では、ものを捨てないことが修行の上で重視されます。そこで、一度茶をいれた茶殻をさらに煮出して、これを茶粥に用いるのです。
煮出した茶には、カテキンというタンニン系物質が多く含まれていますが、このカテキンは、ガンの予防に大きな力のあることが知られています。つまり、茶を無駄なく使うだけでなく、健康的でもあるのです。
余談になりますが、二度煮出した後の茶殻は、掃除のとき、床にまいてゴミを付着させるのに使用することもできます。そして、最後は庭の樹木の板本に埋め、肥料にするという、完全なリサイクルの循環が確立します。
このような伝統的な知恵は、今日でも大いに日常に生かしたいものです。粥の本場、中国の広東省のような南部や台湾などでは、朝食に粥がよく食べられます。この粥は、白粥もあるが、貝柱や鶏肉の入っているものも多くとても味がしみてておいしいものです。
しかもこれらはタンパク質の補給になる。また、添えものとして油いためのピーナッツや豚のでんぶ、ピータン、ゆで卵といったものも入れることがあります。朝食はしつこいと食べにくいが、粥とあっさりしたタンパク質で1日の活力をつけることができます。
コメント