ごぼうのようなアクの強い野菜がなぜガンに効くのか?

根菜類には、ごぼうをはじめ、きざんで空気にさらすと褐色に変化してしまうものが多くあります。これはタンニン系物質が空気に触れて酸化するためです。
ごぼうの場合は、ポリフェノールという無色の物質が酸素によって酸化し、褐色に変色します。

一般に、アクが強く、空気に触れると酸化して褐色に変化するような物質を含む食品は、ガンの予防効果が高いといわれています。その効果はごぼうがもっとも大きいのですが、サトイモやレンコンなどの根菜にも、ごぼうほどではないとしてもかなりのガン抑制作用があります。

ところで、根菜類がガン予防に役立つ理由としては、このようなタンニン系の物質を含んでいること以外に、食物繊維が豊富であることもあります。
ほかの項目でも紹介しているように、食物繊維にもいろいろな種類がありますが、ごぼうのかたい繊維はセルロースという成分です。このほかに、リグニンという成分も食物繊維です。

リグニンは、木材の中に含まれていて木質素とも呼ばれる物質ですが、ごぼうのような根菜類にもかなり多く含まれています。そして、このリグニンもガン予防に役立つことで知られています。

また、皮をむいて売られているサトイモは、料理すると、表面がかたくなっているのが分かります。これは、サトイモが皮をむかれて裸になったため、身を守るために、表面にリグニンの層をつくったことによるものです。

いずれの食物繊維も、大腸ガンに対して予防効果のあることが確認されています。それは発ガン物質が大腸内で生産されたり食物とともに入ってきたりしても、それらを吸着し、便通をよくして、体内に吸収されないようにする働きがあるためです。便秘を防いで腸内の有用細菌の繁殖を助け、有害物質を吸着して排泄することで、大腸ガンの予防に役立ちます。
これは、実験的にも証明されています。また、食物繊維がじゅうぶんに摂取されている場合、腸内の良質な乳酸菌の繁殖が良くなります。

この乳酸菌は、腸内に発ガン物質ができても、それを打ち消す作用がかなり強力です。また、発ガン物質の生産をおこなう犯人である腐敗菌の増殖を抑える働きもあります。

現代の食生活では、脂肪分の摂取が非常に多くなってきています。脂肪分が多くなると、腸内での乳酸菌の繁殖が妨げられ、腐敗菌が増殖します。つまり、発ガン物質が多くつくられる可能性があるということです。そこで、普段の食事に根菜類をできるだけ入れるようにすることが大切となるのです。

ただ、毎日のようにごぼうなどを食べるのははっきり言って難しいことです。おすすめするのは、ごぼうの栄養がたっぷり入ったごぼう茶。広島県にあるこだま食品の『有機 高原のごぼう茶』は、自社農場で有機栽培された、広島県産ごぼう100パーセントのごぼう茶で、農薬が一切使われていません。

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