高野豆腐 肝臓の栄養成分がたっぷり

高野豆腐 は、肝臓の栄養成分がたっぷりです。高野豆腐は、豆腐を凍らせて乾燥させたもので、凍り豆腐、しみ豆腐とも呼ばれる、大豆の加工食品です。大豆の栄養成分をそっくり含んでおり、しかも水分がないだけそれらの栄養分が凝縮されています。

高野豆腐
高野豆腐

余った 高野豆腐 を使い切る方法

まず、とりわけ豊富なのが植物性タンパク質です。これは傷ついた肝臓の細胞の修復材料になります。動物性の食材を控えている方には特に重要なたんぱく源になるでしょう。

次に、肝臓病の予防や改善に役立つサポニンの効率よい供給源であることです。サポニンは、大豆の場合、1kg中に0.5~0.6程度しか含まれていませんが、高野豆腐になると、乾燥して濃縮されている分、はるかに効率よくとれるのです。

お豆腐や大豆の場合、総量のほとんどが水分になりますが、高野豆腐なら栄養たっぷりです。

そのうえ、サポニンは肝臓の働きを高めるので、お酒を飲むときにいっしょにとると、早く酔いが回り、早くさめて、しかも悪酔いしないという利点があります。

このように高野豆腐は、他の大豆製品にない利点を持っていますが、だからといって高野豆腐ばかりを食べていればよいわけではありません。

健康を保つためには、ほかの栄養素も欠かせません。食事全体の栄養バランスをととのえたうえで、高野豆腐を含めた大豆製品を毎日の食卓にふやしていただきたいものです。

肉よりたんぱく質たっぷりの凍り豆腐がおすすめ

梅干しの肝臓強化成分

梅干しもまた、肝臓の解毒作用を手助けしてくれる食品の1つです。たとえば、お酒を飲むと、その代謝のほとんどは肝臓で行われます。このとき、梅干しをいっしょにとるようにすると、アルコールの分解がスピードアップして、悪酔いや二日酔いが防げるのです。

これは梅干しにたっぶり含まれるクエン酸などの有機酸の働きによります。梅干しは、このクエン酸以外にもりんご酸などといった有機酸の含有量が多い食品で、100グラム中になんと5グラムもの有機酸が含まれています。

りんごで1グラム、トマトで0.8グラム、レモンでさえも2グラムですから、その多さがわかるというものです。

悪酔い予防として梅干しをとるなら、お酒を飲む前に食べておいたり、梅干しを用いた料理を肴にするのが効果的です。特に良質のタンパク質と組み合わせるのがよく、鶏ささ身の梅肉あえ、納豆の梅たたきなどがおすすめです。

お酒を飲んだあとは梅干し入りのお茶づけで仕上げたり、梅干し入りの番茶をたっぷり飲んだりすると、二日酔いを防ぐことができ、翌朝の出勤もつらくありません。なお、梅には、肝臓の機能を高めるピクリンン酸という成分も微量ながら含まれており、肝臓強化に一役買ってくれます。

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夏バテの肝臓には穀物酢

夏といえばビール。暑い1日の終わりに一気に飲み干すあの瞬間がやっぱり格別です。しかし、この快感が実はくせ者。杯を重ねるうちに、おつまみもろくに食べないまま、おなかがふくれてしまいます。夏場は胃や腸の働きが低下し、ただでさえ食欲が衰えがちです。気がついたら夕食らしきものはとっていなかった、などといったように、食事をきちんととらないことにもなりがち。

こうなると、知らず知らずのうちに肝臓にも負担がかかり、機能も衰えていきます。こんな肝臓の働きの衰えを防いで元気に夏を乗り切るのに、実は、強力な助っ人となってくれるものがあったのです。それはお酢です。

お酢はその原料や製法によって、穀物酢、果実酢、合成酢などに分けられます。
穀物酢は米、麦、とうもろこしなどの穀物からつくられるもので、精米を原料とする米酢や、玄米から作る玄米酢などがおなじみです。果実酢は文字どおり果物からつくられる酢で、果実のしぼり汁を入れてつくるリンゴ酢やブドウからつくるワイン酢などがあります。合成酢というのは氷酢酸を水で薄めたものです。

これらの中でも、肝臓の機能を助けてくれるのは、米酢と玄米酢です。特に、米だけを原料に自然のままの製法で作られた天然醸造のものが、強力な助っ人となってくれるのです。

強力な助っ人である秘密は、穀物酢に含まれるアミノ酸にあります。その秘密を明らかにするために、まず天然醸造の米酢の製法について説明しましょう。材料は米と水と米麹です。はじめに、蒸した米と水、米麹をかめに入れてお酒を造ります。そして、このお酒が空気中の酢酸菌によって酢酸発酵し、酢ができます。酢をさらに熟成させたものが、独特のコクと香りを持つ米酢というわけです。この醸造・熟成にはおよそ1年間かかります。

さて、米には、100グラムあたり約14グラムのタンパク質が含まれています。このタンパク質が、発酵と熟成の過程でアミノ酸に分解され、米酢にそっくり含まれるわけです。このアミノ酸はメチオニン、システイン、グルタミンといった種類で、これらが、肝臓の働きを助け、弱った肝臓の機能を回復するのに役立つのです。肝臓は食物に含まれるタンパク質をアミノ酸に分解します。
そして、さらに、自分の体に必要なタンパク質につくりかえるという作業をしています。先に述べた米酢や玄米酢に含まれるアミノ酸は、そのままの形で、体に必要なタンパク質を合成するために使うことができます。

つまり、肝臓は食物からとったタンパク質をアミノ酸に分解するという手間を省いて、効率よくタンパク質の合成ができるというわけです。しかも、酢に含まれるアミノ酸は肝臓に負担をかけないというだけでなく、弱った肝臓自体の修復もしてくれますから、肝臓病の病中、病後の食事療法にも最適といえます。

特に体がバテぎみの夏は、酢をたっぷりとって、無口で働き者の肝臓をいたわってあげたいものです。