果物は胃が空のときに単独で食べる

パリのレストランでは前菜のメニューに果物をのせているところが割とたくさんあります。ただメロンと書いてあるので注文すると、カンタロープメロン(果肉が黄色いメロン)が1個丸ごと出てきます。

上の端だけ切ってふたのようにかぶせてあるので、客はそれをとってスプーンで掘りながら食べていきます。見ていると、このメロンを選択する人が意外に多いのです。

果物
果物

おそらくそれは栄養学の知識が普及しているからでしょう。果物は食後に食べるよりも食前に食べたほうがよいし、他の食品と一緒にではなく果物だけを単独で食べたほうがいいでしょう。
それも食事の20~30分前に食べたほうがよいでしょう。

主菜がすぐに出てきたのでは芳しくないけれども、フランスの高級なレストランでは主菜が出てくるまでにたっぶり30分はかかるので、ちょうどよいでしょう。

それにまた、ほとんどの店が果物のなかでもとくにカンタロープメロンを選んでいるのは、このメロンが栄養的にみてスーパースターともいうべき食品だという知識をもっているからに違いありません。

ダイヤモンド式減量法で知られるアメリカのハーベイ・ダイヤモンドは、正しく果物を食べる基本原則をこう述べています。消化のために食べものは胃のなかにおよそ3時間はとどまる必要があるのですが、唯一の例外が果物です。

果物は胃のなかで消化される必要のない唯一の食品なのです。完熟している場合には果物は、自分自身を消化するのに必要な酵素をふくんでいて、実質的にはすでに消化されているために、胃のなかには20~30分とどまるだけで小腸に移動します。

そして、小腸で栄養素が吸収されて体がそれを使うのです。第一の原則は、果物のもっている微妙な性質から必ず完熟した新鮮なものを生で食べること。

そのままであれ、ジュースにしてであれ、新鮮であってはじめて体にとって重要な価値をもつことになります。新鮮な果物は体が体内にたまった毒を出してきれいにするのを助けるのです。

第二の原則は、果物は胃が空のときに、単独で食べること。他のいかなる食品とも食べ合わせないこと。果物を食べたすぐあとに他の食品を食べないことです。

他の食品は胃のなかに3時間あまりもとどまっているのだから、混じり合うことになります。そして果物は、パパイヤのように消化酵素をとくに多量にふくんでいるものを除き、胃のなかの食べものの消化を逆にさまたげることになります。

だから果物はデザートよりオードプルで食べたほうがいいのですが、理想は朝食前に食べることです。果物の大きな働きは体内の清掃浄化を助けることなので、朝食べると体のリズムにぴったり合ってきます。

というのは、午前4時から正午くらいまでは、体が排出に力を入れる時間だからです。その時間に重い食事をとると排出に必要なエネルギーが消化のほうに回されて、十分な排出ができなくなるからです。

そして毒素が体内にたまる結果になるのだが、果物を食べても消化の負担がかかりません。体は排出に専念できるのです。それに果物は85~90% が水分で、毒素をふくんだ物質を体外に流し出すのにその水分が役立つのです。

朝起きて新鮮な完熟した果物を食べ、その後30分以上おいて朝食(消化のよい軽めのもの)をとるという習慣がつけば理想的です。
朝食抜きは肝臓に悪影響です。

胃の消化を助ける酢の物

最近ではよく噛まずに食べる子どもが増えて、歯や歯肉や顎骨に問題が起きてきています。テレビの食べ歩きの番組では、「やわらかい」が「おいしい」の意味になってしまっているようですが、家庭料理は噛まないと食べられないようなもので成り立っているほうがよいのです。

噛みしめておいしさを感じるというのが正常な味覚です。ただ、噛むというのは消化の重要な第一ステップで、その過程で食物が小さくされ、唾液にまぶされます。
そして唾液にふくまれているアミラーゼという澱粉消化酵素によって消化がはじめられます。しかし、よく噛まずに食べれば、そのステップが省略されるために、胃腸での消化には当然、困難が伴うのは当然です。

柔らかいものばかり食べている子どもが消化不良を起こすのはそのためで抗ヒスタミン剤や利尿剤を飲んでいる人にも同様のことが起きます。薬品の作用で粘膜が乾くために正常なアミラーゼの分泌ができないからです。

口が渇いてよく噛むことができず、十分に食物を唾液と混ぜあわせることなく嚥下してしまうのです。

だから食物が胃腸に達したときに消化不良が起こり、高齢者が慢性的なガスと鼓腸に悩まされる原因の一つになっているのです。通常、胃酸の不足のせいにしがちですが、正しい咀嚼が行われていないことと、たくさんの薬を飲んでいることが大きな理由なのです。

唾液アミラーゼは食道中でも澱粉を消化しつづけて胃に達するのですが、胃に入ると強酸状態のために変性し、澱粉の消化は一旦ストップすします。

胃からは塩酸と蛋白分解酵素のペプシンが出されて強酸状態のなかで蛋白質の消化の第一ステップが始められる。ただしストレス下では体は塩酸の分泌を止め、消化のシステムをストップさせてしまいます。

のど食べ物が喉を通らないというのはその状態です。実際にはしかし、そういうことは長い人生を通じてもそう何回もは起こりません。

ストレスが度重なると体が逆のことをしはじめるからdす。逆に塩酸を多量に分泌するようになります。その結果、胃酸過多になり、胃の粘膜が傷むという事態になります。
それが胃潰瘍の原因になることはいうまでもないえしょう。胃酸過多の人には酸を中和する制酸剤が売られているし、反対に胃酸が足りない人には酸を補う製剤があるけれども胃における消化を助けてくれるのは酢のものです。

酢の物
酢の物

わかめに酢と醤油をかけただけのものでもよいから、一回の食事で小さじ一杯くらいの酢がとれるように料理を組み立てることが望ましいでしょう。

伝統的な世界の家庭料理にはみなその工夫がなされていて、わが国の酢のものに当たるのがピクルスやマリネです。みな適量の酢をとることで胃の状態を良好に保ってきたのです。

そのなかでとくにレパートリーに加えたいものに、フランスの「きのこのマリネ」があります。

人参、玉ねぎ、セロリにレモン汁、ブーケ・ガルニ、コリアンダー、ディル、黒こしょう、にんじん、サフラン、クローブ、カレー粉、塩を加えて煮出し、その煮出し汁できのこを浅く煮て、調味し直した煮出し汁につけておく料理です。

きのこの食べ方としてすぐれており、同様にして小玉ねぎのマリネもできます。水なしで蒸したカリフラワーやブロッコリー、芽キャベツなども、この煮出し汁につけておくととてもおいしいでしょう。

1日1皿の酢の物がストレスから守ってくれる

前立腺障害を防ぐ食事

アメリカの40歳すぎの男性のうち1200万人が前立腺になんらかの障害をもっているといわれています。そして85歳になるまでにそのうちの95% の人が前立腺肥大の経験をします。

正常であれば粟くらいの大きさの前立腺がオレンジ大に肥大します。前立腺は膀胱底の前下部にあって、形も大きさもちょうど栗そっくりの臓器です。

ここで前立腺液がつくられて、精嚢腺でつくられた物質と一緒に精液の一部を形成します。つまり射精される精液の液体部分の一部がここでつくられます。

この前立腺のなかを尿道が通っているために、前立腺が肥大してくると尿道が圧迫されて、尿の出が悪くなり、ときには血尿がでることもあります。

ところで、前立腺肥大は、正確には前立腺そのものが大きくなるわけではなく、前立腺ののなかに一種の腫れ物(線維腺腫)ができて、それが大きくなるために前立腺が肥大してくる病気です。

腫れものが大きくなってきはじめると、尿道が刺激をうけて、夜中に何度も小便に行くようになります。それが前立腺肥大の最初の兆候です。そして、しだいに尿が出にくくなって、そのうちに尿が出きらずに残るようになり、さらにすすむと、とつぜん尿が出なくなる(尿閉)事態も起こりうるのです。

従来は、高齢者に多くみられることから、年齢と関係したホルモンの変化が主たる原因ではないかと考えられ、予防の方法はないとされてきたのです、最近では食事にも原因のあることがわかってきました。

この病気は戦前は欧米で多くみられて、わが国ではまれでした。ところが戦後、わが国で急増したことでも食生活との関係が追究されているのですが、肥大した前立腺を解剖してみると、異常に高い濃度でコレステロールが存在しています。

それで脂肪を多くとる食事が原因の1つと考えられています。前立腺を肥大させた犬の餌から脂肪を減らしてやると、前立腺が縮小することも確かめられていますが、脂肪のとりすぎはここでも健康上の大きなリスク・ファクターとなるわけです。

一方、栄養素の不足もまた、前立腺の肥大につながることがわかっています。シカゴ大学泌尿器科のアービン・ブッシュ教授は、延べ250人の前立腺肥大患者に亜鉛を補って効果を確かめています。亜鉛は前立腺の健康維持に不可欠の栄養素なので、その不足と発病の関係が考えられたからです。

亜鉛のサプリメントを最初の2ヶ月間は1日に34ミリグラム、その後は期限を切らずに1日に2ミリグラムから23ミリグラム与えたところ、80% の人に自覚症状の改善がみられ、25% の人の尿の出がよくなり、20%に前立腺のサイズの縮小をみられました。

それからも、亜鉛を不足させない食事が、前立腺の健康を維持するうえできわめて重要なことがわかるのですが、亜鉛源となる食品のなかで脂肪が少ないものといえば、代表はかき、はまぐり、あさりなどの貝類と、かに、えびの甲殻類です。
それが前立腺にとっての特別の食品なるのです。また、ほうれん草も忘れてはいけません。
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